八戸市都市研究検討会
八戸市都市研究検討会は、八戸市及び地域が有する政策課題等についての調査研究、審議等を行うため、八戸工業大学、八戸学院大学、八戸工業高等専門学校の市内高等教育機関3校と八戸市が連携し、平成21年9月に発足した地域シンクタンクです。
八戸市都市研究検討会
八戸市都市研究検討会は、八戸工業大学学長、八戸学院大学学長、八戸工業高等専門学校校長、八戸市長の4名で構成されます。検討会では、地域が有する政策課題等について協議し、調査研究を行うべきテーマを選定します。
プロジェクトチーム
検討会が選定したテーマに基づき、3校の教員並びに自治体職員等によるプロジェクトチームを編成します。プロジェクトチームは、検討会から提示されたテーマについて調査研究を行うほか、短期的・具体的な課題等について独自に解決策を研究し、提言することもできます。
(1)産業連関分析による地域経済活性化へのアプローチ
<研究概要>
急速に変化する昨今の社会経済情勢の下、住民に密着した基礎自治体こそ、経済・政策分析の必要性が大きくなっている。
そのため、地域経済の実態を量や構造の面から把握し、体系的に捉えるための分析ツールとして、八戸地域における産業連関表を作成する。また、この産業連関表を活用した産業連関分析(経済構造の現状分析やシミュレーション分析等)を行い、行政の政策立案への活用を促すなど、八戸地域の経済活性化に向けた方向性を導き出すことを目指す。
<調査研究期間> 平成21年10月~平成22年9月
<調査研究報告書> 産業連関分析と地域経済活性化へのアプローチ [PDF]
(2)低炭素地域社会の構築による持続可能な地域づくり
<研究概要>
米国の「グリーンニューディール」に倣い、日本でも環境関連産業を支援し、需要と雇用を創出しようという「日本版グリーンニューディール」を進める動きが加速している。こうした中、当市においても、LNG基地建設やメガソーラー発電施設の建設構想が相次いで発表されるなど、関連産業への波及効果等の期待が膨らんでいる。
こうした動きを睨みながら、当市が今後北東北における次世代エネルギー先進都市として、持続可能な地域づくりを進めていくために、関連産業・雇用の創出可能性を探るとともに、低炭素地域社会の構築に向けた提言を行う。
<調査研究期間> 平成22年6月~平成24年2月
<調査研究報告書> 低炭素地域社会の構築による持続可能な地域づくり [PDF]
(3)学生まち活ー八戸アートと地域活性化の研究
<研究概要>
従来の奉仕活動的な地域貢献活動に留まらず、学生たちが継続的、恒常的にまちなかで様々な文化活動を実践したり、地域活動に参加することを通じて、学生個々の興味・関心そして個性や能力を活かしながら、若いエネルギーで八戸のまちに活気をもたらすことが必要である。
そこで、既存の取組も含め、“学生まち活” と称する学生によるまち活性化総合プロジェクトを検討し、活動を積極的に支援していく環境づくりを促進することで、学生の活力を結集した八戸地域の文化的求心力の向上を図る。
<調査研究期間> 平成22年11月~平成24年2月
<調査研究報告書> 学生まち活ー八戸アートと地域活性化の研究 [PDF]
(4)大震災を踏まえた防災・減災に関する調査研究
<研究概要>
東日本大震災の発生を機に、緊急時のエネルギー確保の重要性が高まっており、産学官で再生可能エネルギーの導入が活発に検討されている。特に地域の防災拠点への再生可能エネルギー導入は必須の課題である。
そこで、庁舎、学校、医療機関、公民館などの防災拠点に対する太陽光や風力等の再生可能エネルギーや蓄電池の整備要件について、提言を行う。
<調査研究期間> 平成24年8月~平成25年10月
<調査研究報告書> 大震災を踏まえた防災・減災に関する調査研究[PDF]
(5)都市のイメージづくりと情報発信力の強化
<研究概要>
八戸市におけるシティプロモーション(都市としてのイメージや知名度を高め、誘客や企業誘致等により都市の活性化が図られることを目指し、観光資源、文化、都市基盤などのまちの様々な魅力を内外に戦略的に発信すること)の展開にあたり、これまでの取組に加え、「世界都市八戸」というグローバル化を意識した視点も考慮に入れ、市外はもちろん国外からの移住者の「外からの視線」による八戸市の評価に基づき、より効果的かつ新しい手法を研究し、八戸市のイメージづくりと情報発信力の強化を図る。
<調査研究期間> 平成25年5月~平成26年3月
<調査研究報告書> 都市イメージづくりと情報発信力の強化[PDF]
(6)八戸市のリノベーション戦略に係る調査研究
<研究概要>
八戸市中心市街地における民間主導の再開発の進展によって、老朽化した建築物のリノベーション(既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりすること)が進んでいる。今後、同地域のまちづくりを進めるにあたり多く存在する前向きな要素をうまく活用し、この効果を中心市街地に限定することなく、八戸市全域さらには周辺自治体にも波及させ、青森県南地域の発展に繋げていく可能性を模索する。単なるハード面の整備に留めることなく、既存建築物の有効活用策などのソフト面の事業と一体的に取り組むことによって、リノベーションの効果を一層高める。
<調査研究期間> 平成26年6月~27年2月
<調査研究報告書> 八戸市のリノベーション戦略に係る調査研究[PDF]
(7)八戸創生への試み-ビッグデータを利活用した地域振興策の研究
<研究概要>
国では、人口問題等の課題に取り組むため、国と地方が総力を挙げて取り組むべき指針となる、まち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び総合戦略を閣議決定した。また、それらを勘案した地方版の総合戦略を策定する際には、データに基づく地域ごとの特性と地域課題を抽出することなどが掲げられていることから、国の長期ビジョン及び総合戦略を検証するとともに、ビッグデータとはどういうものか、どのように収集・加工・蓄積するべきかなどについて調査研究し、その上で、既存の施策等も踏まえ、さらには、八戸市が中核市移行後、速やかな形成を目指している連携中枢都市圏における圏域経済のけん引の役割についても見据えながら、ビッグデータ等を利活用した地域振興策を提言する。
<調査研究期間> 平成27年6月~28年3月
<調査研究報告書> 八戸創生への試み-ビッグデータを利活用した地域振興策の研究[PDF]
(8)ヘルスケア産業創出可能性に係る研究-観光振興を視野に入れて
<研究概要>
国では、「健康寿命」の延伸を掲げ、今後取り組む具体策をとりまとめ、青森県では、医療・健康福祉分野における産業振興の指針を策定した。
八戸市においても、今後一層進行が予想される人口減少や少子高齢化といった厳しい社会経済情勢に対応するため、地方創生に向けて、様々な観点から当地域の魅力を引き出すことが必要となり、特に日常生活において、関心が高まっている「健康」に係るビジネスフィールドは広がりをみせているものと推測される。
以上のことから、本研究においては、食・農や観光などをはじめとした地域資源との連携によるヘルスツーリズムのあり方など、八戸地域における健康の維持及び増進に係るサービス等を包含するヘルスケア産業創出の可能性について研究を行う。
<調査研究期間> 平成28年6月~29年2月
<調査研究報告書> ヘルスケア産業創出可能性に係る研究-観光振興を視野に入れて[PDF]
(9)地域資源を活かした魅力ある観光創造に関する研究
<研究概要>
平成29年3月22日、八戸市をはじめとする8市町村は、連携中枢都市圏に関する連携協約を締結し、同時に、「八戸圏域連携中枢都市圏ビジョン」を公表した。この圏域内の観光入込客数(延べ人数)に関して、平成20年以降の推移を見ると、八戸市以外は減少傾向にある(ただし、平成27年は、五戸町、おいらせ町以外は増加している)。 特に、五戸町、田子町の減少率が高く(それぞれ、65.9%、37.7%のマイナス)、 それに続いて、新郷村(32.9%)、南部町(△25.3%)、三戸町(△23.3%)の減少率も高い状況である。圏域全体として、各町村においては、観光資源をブラッシュアップし、情報発信を積極的に行っていくことが課題となっている。
また、観光庁は平成27年度に「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」を立ち上げ、地域の観光資源を世界に通用するレベルまで磨き上げるため、歴史的景観、美しい自然、海洋資源、豊かな農山漁村、魅力ある食文化等の観光資源を活かした地域づくり施策と、体制づくり、受入環境整備、二次交通の充実等の観光振興のための施策を一体で実施することとした。
そこで、今回は圏域内の地域資源を洗い出し、それを魅力ある観光を創造することに結び付けていくことを目的に研究を行う。
<調査研究期間> 平成29年6月~30年2月
<調査研究報告書> 地域資源を活かした魅力ある観光創造に関する研究[PDF]
(10)地方創生における高等教育機関の役割に関する調査研究
<研究概要>
平成27年度に策定した「八戸市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において人口減少の抑制策に取り組む中、高等教育機関では今後も知の拠点として、地域で活躍する多くの人材を供給するなど、これまで以上の役割を担っていくことが求められる。そこで、各高等教育機関の現状や将来展望を踏まえつつ、各校と八戸市の役割を整理しながら、その振興策を検討するとともに、それを着実に推進するための体制強化について研究を行う。
<調査研究期間> 平成30年5月~31年2月
<調査研究報告書> 地方創生における高等教育機関の役割に関する調査研究[PDF]
(11)若者の地域定着とU・I・Jターン可能なまちづくりに関する研究-スポーツと多文化の視点から-
<研究概要>
地元若者の地域外流出の抑制とU・I・J・ターン促進による若者の地域定着には、地域企業のPR、あらたな産業の振興と雇用の創出が必要であり、それとともに中心市街地の文化的賑わい創出と、常に若者が活動している場と環境の形成が必要である。一度大都市へ転出した若者のU・Jターンに対しては、八戸の顔である中心市街地の賑わいが、若者を惹き付ける大きな要素となる。たとえば、八戸市が進めるアート・エデュケーション構想やスポーツ施設の充実を通したスポーツ産業の振興などは、若者を受け入れるまちづくりとしても魅力的な事業である。
また、人口減少の中で八戸市が持続的発展を成し遂げるためには、留学生等の受入れも含めた検討が必要である。それら人材の受け入れと教育には、自治体、産業界、高等教育機関が密な連携の上で進めていく必要がある。特に、外国人と市民が相互に理解・協力しあう環境を整えるためには、地域コミュニティにおける受入体制の整備が必要で、市民との協働による活動推進などの啓発的教育やそれらを進める人材の育成も必要になる。
以上のことから、スポーツや多文化共生をキーワードとして、若者の地域定着とU・I・Jターン可能なまちづくりについて研究を行う。
<調査研究期間> 令和元年6月~令和2年2月
<調査研究報告書> 若者の地域定着とU・I・Jターン可能なまちづくりに関する研究-スポーツと多文化の視点から-[PDF]
(12)地域資源のブランディングに関する研究
<研究概要>
地方都市における若者の地域への定着のためには、魅力ある地域づくりが不可欠であり、「地域ブランドの底上げ」による地域力の向上が非常に有効な手段だと考える。
第12弾テーマでは、これまでに築かれてきた「食」・「祭」・「市」・「スポーツ」・「アート」・「本」などの個々のブランドイメージを包含した「八戸ブランド」をさらに磨き上げるために、地域の豊かな資源と特徴ある産業を多文化共生の消費者目線で見直し、新たな価値の付加、魅力の向上に向けた、より実践的なプロモーション等の方策・体制について研究する。
<調査研究期間> 平成2年7月~令和3年2月
<調査研究報告書> 地域資源のブランディングに関する研究[PDF]
(13)アート及び新美術館を軸とした中心市街地活性化に関する研究
<研究概要>
本研究では、第一に、八戸市の中心市街地の現状と課題を明らかにし、第二に、アー トのまちづくりについて説明し、8 つの事例を紹介した。第三に、アートと新美術館を 軸とした中心市街地活性化について、「(仮称)まちなかアートプロジェクト」の実施、 を提言した。
美術館によるアートと、中心市街地のさまざまな魅力を掛け合わせた複合的なアートプロジェクトを展開していくことは、多様なステークホルダーを巻き込み、アートはまちづくりへ、また、まちづくりはアートへと包摂される。それと共に、この 有様が八戸市の中心市街地の新しい日常となっていく。
<調査研究期間> 平成3年5月~令和4年2月
<調査研究報告書>アート及び新美術館を軸とした中心市街地活性化に関する研究[PDF]
(14)市内全域における人流データの可視化及びその活用方法に関する研究
<研究概要>
本報告では、市内全域における人流を可視化し、属性別に把握した人流データを精査した。人流を生み出す要因となっている施設・店舗等の存在や、交通アクセスの状況等を分析することにより、当市におけるまちづくりや企業誘致、観光誘客などの施策について、より戦略的な検討が可能になることを示した。
また、コロナ前後における人流の状況を把握し、地域ごとの影響を分析した。市民生活や経済活動の再開に資するより効果的な施策の検討に役立つことが期待される。
以上を踏まえ、第 14 弾の研究テーマを「市内全域における人流データの可視化及び その活用方法に関する研究」とし、ビッグデータを活用した市内全域における人流データの可視化及びその増減に寄与する要因の抽出・検討を行うとともに、得られたデータの具体的活用方法について検討した。
<調査研究期間> 平成4年5月~令和5年2月
<調査研究報告書>市内全域における人流データの可視化 及びその活用方法に関する研究[PDF]
(15)地域特性を踏まえたグリーン社会の実現に関する調査研究
<研究概要>
国は2020年10月に2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その目標達成には、国と地方による協働・共創による取組が必要不可欠であることから、地域が主役となり、2030年までに集中して行う取組・施策を中心に、行程と具体策を示した「地域脱炭素ロードマップ」を策定した。
このロードマップにおいて、地域脱炭素は環境問題のみならず、「地域成長戦略になる」「再エネ等の地域資源の最大限の活用により、地域の課題解決に貢献する」ことが示されたほか、地域脱炭素の取組を全国に広げるには国と地方行政、企業や金融機関、一般市民が協力し、地域の意欲と理解の醸成が必要であることが示されている。
八戸市としても、2021年6月にカーボンニュートラルを目指すことを表明していることから、第15弾プロジェクトにおいては、その実現に向け、当市の地域特性と課題を分析するとともに、脱炭素化に向けた地域一体となった具体的な方策について調査・研究するものである。
<調査研究期間> 平成5年5月~令和6年2月
<調査研究報告書>地域特性を踏まえたグリーン社会の実現に関する調査研究[PDF]